ゴジラ-1.0

久々に怪獣映画を見に行きました。アメリカ版のものはイマイチだったのですが、今回のは「原点回帰」だという噂を聞いたので、どんな内容かも確かめずに見に行ってきました。映画館は川崎駅の近くにあるチネチッタです。ここは写真はたくさん撮っているのですが、今まで映画を観たことはありませんでした。川崎駅のそばには、三つのシネコンが集まっていて、とても恵まれた環境ですが、他は大手系列なので代わり映えしないのと、チネチッタのスクリーン8は音響設備が秀逸なので、あのゴジラサウンド(足音の響きや伊福部昭の楽曲)を楽しめると感じたからです。結果的に音響効果は想像以上で、掛け値なしにチビリました(笑)。サブタイトルの「マイナス・ワン」とは何ぞやと知らずに出向いたのですが、あの初代ゴジラ(昭和29)の前の話でした。戦争に負けて何もなくなってしまった日本を更に貶める意味合いのマイナス・ワン、という意味だそうです。アメリカは東西冷戦の流れの中で手を出せないので、日本だけで何とかしろと言ってくる。何やら暗示的ではありますが、当時の日本には何の軍隊もないので、わずかに残っている戦力で、民間の力で応酬をするしかありません。敗戦後、シンガポール港で自沈措置を待っていた重巡高雄、さらには伝説の震電戦闘機まで復活登場してきたので、昭和世代には堪らない舞台装置でした。監督が「永遠の0」の山崎貴氏なので、海戦の巧さはさすがです。キャストの方も、神木隆之介、浜辺美波のコンビは朝ドラで息が合っているようで、いい演技でしたし、豪華な脇役陣も相まって、幾つかの気になる伏線を残すような、その丁寧な出来栄えには感心しました。方向性や設定年代は異なるものの、個人的にはシン・ゴジラを凌ぐ作品になっていたのではというのが感想です。

bsh