PERFECT DAYS

基本的にアニメと特撮以外の邦画作品は、映画館では観ない自分ですが、ムスメから薦められ『PERFECT DAYS』観てきました。いろんなところで、いろんな方々がネタバレしつつ称賛のコメントを出しているので、私からは映画の内容については省きます。わたしが気になったのは、映画の最後でも紹介されていた「木漏れ日」のことです。役所広司が演じる平山さんが、公園での昼食のひととき、旧いオリンパスのフィルムカメラで、樹冠の木漏れ日を定点的に撮影しています。映画の冒頭でも、下から見上げた樹冠の木漏れ日シーンから始まっています。「木漏れ日」は季節や天候でどんどん条件は変わるので、解説文のように、たった一瞬だけ、そして二度と現れない象徴として置いたのでしょう。劇中でも「こんどはこんど、いまは今」と姪っ子とのやりとりのなかで平山さんが唱和していました。おそらくヴィム・ヴェンダース監督は、映画のなかで観る人々に、このこと〔二度と訪れないその日その時を大切に過ごすこと〕も伝えたかったメッセージだったのではないかと思いました。一見すると、日々の暮らしをルーティーンとして淡々と繰り返しているように見えてしまうのですが、その実「今日という日は今日しかない」そう捉えることが大切なんだなと感じました。

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