スチームパンク・アニメ

国際映画祭長編アニメーション部門で受賞したというので、塚原重義監督の『クラユカバ』を気晴らしに観に行きました。あらためて思うのは、他人の評価はあくまで他人の評価であるという、しごく当然の帰結になるということでした。○✕映画祭と言うのも、それに準じるうえ、業界なりの忖度が加わるため、その評価は鵜呑みには出来ませんね。今回もまたそのことを感じました。確かに舞台設定はレトロモダニズム溢れる、いわゆるスチームパンク的作品〔好みのジャンルです〕ではあるのですが、全体としては自分の期待とはけっこう乖離していましたね。舞台設定はあくまで舞台であって、肝心なのはその上でくり広げられるストーリーだと思っているのですが、本作はこの部分がまるで空っぽでした。意識してそう創っているのかも知れませんが、助かったのは一時間という短い上映時間だけという話で、まるでジョークでした。これからも、この監督の作品は出てくるのでしょうが、まず観ることはないと思います。