ミステリー・チャンネル

本だけでは飽き足らず、U-NEXTやプライムビデオ、WOWOWシネフィルプラスなどでも海外ミステリーを愉しんでおりますが、最近はCS放送のミステリー専門チャンネルにまで手を出し始めました。このところ、どうも自分の頭の中には幾つもの事件がプロットされているようで、そのうちに実生活でも人を見ると、無意識のうちに誰が犯人なのか被害者なのかを、あるいは動機はなんだと考えるようになるのかも知れません。
ちなみにミステリーチャンネルを見始めたきっかけは、クリスティものを網羅したいがためですが(『ミス・マープル』も女優ごとに幾つかのシリーズに分かれています)、脚色も違うので同じ題名でも愉しめます。原点がしっかりしているのでしょう。さすがクリスティです。
さて、同チャンネルの番宣をみていると、英米仏いろんな放送局で推理やサスペンスドラマを放映しているようです。ミステリには相棒が欠かせませんが、ワトソンやヘイスティングスはあくまで小説の展開上で必要とされる存在であって、課題解決そのものには殆ど役立ちません。

ところが、いま評判となっているフランスの「アストリッドとラファエル文書係の事件録」は、実際には相棒役が事件を解きほぐしていきます。一般的にも課題解決には複数の視点が必要ですが、同じくフランスの人気ミステリ『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』でも、刑事でもない脇役が実態は主役になっています。モルガンもラファエルも、おそらくは一般的な社会生活では不適合者のレッテルを貼られてしまうでしょうが、ずる賢い犯人の行動分析は、こうした標準偏差から外れている人間の方が的を得た絞り込みをするのでしょう。
海外でも素敵なミステリドラマが多くて、本もドラマも次から次へと休む暇がありませんね。