ドロシー・L・セイヤーズ10
セイヤーズ女史の描く長編ミステリのなかで唯一ピーター卿が登場しないのが『箱の中の書類:THE DOCUMENTS IN THE CASE』(1930)です。日本では早川書房からポケット・ミステリ版として出版されております...
セイヤーズ女史の描く長編ミステリのなかで唯一ピーター卿が登場しないのが『箱の中の書類:THE DOCUMENTS IN THE CASE』(1930)です。日本では早川書房からポケット・ミステリ版として出版されております...
セイヤーズ女史の描く推理の世界は留まることを知らず、この作品『死体をどうぞ:HAVE HIS CARCASE』は、1932年に上梓されているピーター卿ものの一つです。文庫ですが600ページを超える大作なので、暗号文を解析...
巷では創元社版の『毒を食らわば』の方が通りは良いですが、自分が読んだのは幻戯書房ハードカバーの『ストロング・ポイズン:Strong Poison』(1930)です。大西寿明氏の邦訳ですが、驚いたのは訳註の充実ぶりですね。...
ホーソーンとホロヴィッツコンビのシリーズ三作目『殺しへのライン:A Line to Kill』を読んでみました。この本も期待に違わず、内容はとても面白いものでした。離島の文芸フェアに招かれた二人が、例によって殺人事件に巻...
何だかんだ言ってもセイヤーズの描く世界は面白い。オックスフォード大学の女子カレッジ、サマーヴィル校〔後輩にマーガレット・サッチャー〕の初期卒業生のようです。その昔は日本と同様に女性に学位は授与されなかったようですが、セイ...
ホロヴィッツの作品は現代ミステリーゆえに、いろいろな仕掛けが仕組まれていて、読み手を愉しませる工夫がふんだんに有るように思えます。なにしろ作品中に著者が登場するわけで〔しかも間抜けな脇役で〕、アテュカス・ピュント風の異次...
アルメニアという国があることは知っておりましたが、浅学ゆえその国の歴史がどうだったかは殆ど知識を持っていません。どうやら米国には少なくないアルメニア系アメリカ人〔推計80〜150万人〕がいるようで、なかでもカリフォルニア...
クィーン氏の『九尾の猫:Cat of Many Tails』(1949)が正統派の推理小説だということは論を待ちませんが、訳出によって取っつき易さは変わってくるのかも知れません。読んだのは越前敏弥氏による新訳版なので、ず...
架空の怪奇短編小説をモチーフにして、現実の学校で起きる殺人事件を描いたグリフィス女史の『見知らぬ人』は、いい意味で踊らされた一冊でした。語り手が幾度も変わり、違った視点でそれぞれが事件を追いかけていきます。読み手は私たち...
歳のせいか最近とみに忘れ物が増えていて、先日は読みかけの小説を自宅に忘れてしまいました。間の悪いことに、こういう時に限って電車の連絡が悪く、本を読むしかない状況に陥るものです。そんなわけで、久しぶりに電子図書館のお世話に...