アンソニー・ホロヴィッツ4

ホーソーンとホロヴィッツコンビのシリーズ三作目『殺しへのライン:A Line to Kill』を読んでみました。この本も期待に違わず、内容はとても面白いものでした。離島の文芸フェアに招かれた二人が、例によって殺人事件に巻き込まれていきます。癖のある怪しげな招待客ばかりで、誰が犯人か、いたる所にミスディレクションを誘うトリックがあります。こうした点がホロヴィッツの作品のすごいところです。作中では間抜けな推理作家を演じておりますが、脚本家としても一流のホロヴィッツならではの、隙きのないプロットで最後の最後まで物語を愉しむことが出来ます。原作の素晴らしさもあるでしょうが、山田蘭女史の訳もとても気に入りました。