Tom O`Reilly …Reread

古書店で見つけた『コーンウォールの池のほとりで:The Sprit of The Pond』(1996)を何年ぶりかで読んでみました。この本はミステリーではなく、英国コーンウォール地方の釣り人のエッセイです。シンプルなスタイルで魚釣りをする筆者のエッセイは、当時コイ釣りに入れ込んでいた自分のスタイルにぴったりで、それこそバイブルのように読んでいたものでしたが、魚釣りを卒業したのち、この本もどこかに消えてなくなってしまいました。冒頭「魚釣りの真髄は学ぶことにある」と始まるように、単なる魚釣り指南書ではなく、とある一人の釣り人が、池やそこに棲んでいる生きものたち、そして植物や自然の様々な顔に、驚き、翻弄されながらも感動して生きていくさまを描いているエッセイで、おそらく魚釣りをしない人でも結構楽しんで読める内容になっています。水辺でぼんやりと糸を垂らして浮木を眺めているさまは、はたから見ると滑稽なのですが、当の本人はたとえ釣果に恵まれなくとも、満ち足りた気分になっているものです。こんな引き出しを一つもっていると、心豊かな人生を送れるように思えます。