Kwei Quartey

大型連休中に、できるだけ多くの海外ミステリーを読もうとしているのですが、いろいろ諸事雑事があるので、なかなかページを読み進めることが出来ません。今日のご紹介はハヤカワポケットミステリー版、アフリカを舞台にした『ガーナに消えた男』です。米国のシェイマス賞(私立探偵小説の賞)新人賞受賞作という点と、女性探偵が主人公なので面白いかなと考えてのことですが、いろいろと考えさせられる本でした。読み進めているうち、同国の内情にずいぶん詳しいなと思っていたら、作者もまたガーナ関係者でした(両親ともにガーナ大学教授だったようです)。おそらく、現在のガーナ事情をそのまま投影しているわけではなさそうですが、一般論として、汚職や腐敗が進んでいる国家というのは、貧困とは裏腹の関係でもあり、たとえ富裕層であっても、心穏やかに住むのはなかなか大儀そうです。東アジアの島国の片隅で、こうした海外の小説を読んでみて学べることの一つは、価値観の多様性かも知れません。人というのは、長く生きていると、どうしても頭が固くなりがちです。さらに日本のような均質な国に住んでいると、そのものに合理性があるのかも怪しい「常識」とかいう観念が、そこかしこで言動を規制してしまうものです。でも、所が変わればそれが根底から覆される場合もしばしばあります。外交でも、そうしたベースの違いを理解しないまま振舞うと、手痛いしくじりを起こしたりします。