原点回帰という訳ではないですが、ドイル短編集『シャーロック・ホームズの叡智:The Adventure of the Engineer’s Thumb and Others』を読んでみました。短編集にしたのは、作品の巧拙がはっきりと分かるからです。原作のドイル短編集は五冊あって、それぞれ「シャーロック・ホームズの冒険」、「…の思い出」、「…の帰還」、「…最後の挨拶」、「…の事件簿」などが原作にあるのですが、この「…の叡智」は、和訳時に一冊に仕上げるにはやや嵩張る、とか言う理由で、各短編集から溢れてしまった作品8編を、別刷りにして一冊にまとめた短編集だと言うことです。だからと言ってつまらない作品集ではなく、なかなかの秀作揃いだと思います。なかでも、短編集名にも使った「技師の親指」や、競馬狂の「ショスコム荘」などは短いながらも、身につまされる内容で、やはり人間というものは、欲を出しすぎると間違った方向に入り込んでしまうものだと、あらためて感じたものです。何ごとにもほどほどにしておく事が、平穏な人生をおくるためにも必須の要件だと言うことでしょう。









