エラリー・クィーン7

GW中に読了するはずだった『エジプト十字架の謎:The Egyptian Cross Mystery』(1932)をようやく読み終えました。500ページ近い大作なのですが、例によって右往左往しながら、なかなか真犯人に到達することは出来ませんでした。内容とは別にして、読み終えた後のやれやれ感はハンパなかったです(笑)。どうしても被害者の頭を落とすような殺人事件は、猟奇性に目を奪われてしまいますが、実際には、もっと狡猾な目的があることが多いです。怪しげなタイトルに騙された読者は多かったでしょうが、それこそクィーンの思う壺です。そうした点は承知していたのですが、やはり上手な謎解きは出来ませんでしたね。ちゃんとヒントは描かれているにも拘らずです。「目は求めるもののみしか見ず、すでに心中にあるものしか求めない」エラリーの言葉は、単なる推理小説の中だけではなく、そこかしこで起きている日常にも当てはまる話でもあります。齢かさねて、次第に固くなっている頭ですが、脳みその柔軟体操は益々必要だと実感しております。