再読シリーズから元にもどしてみます。まずはブラックバーン氏の怪奇小説『刈りたての干草の香り:A Scent of New-Mown Hay』(1958)を取り上げましょう。SF的な知的好奇心をくすぐる怪奇エンターテイメントとでもいえるような氏の作品は、純然たるミステリにカテゴライズするには若干違和感がありますが、個人的には面白ければジャンルは二の次だと考えていますので、まったく気になりません。論創社からも海外ミステリの一つとして出版されてはいますが、大戦後の国際情勢やバイオホラー的な要素もふんだんに盛り込んでおり、しかも登場人物の心理描写がなかなか秀逸です。基本的に男くさいだけのハードボイルド物は勘弁ですが、この作品は戦後だけあって女性陣の役割はなかなか重要なポイントになっています。デビュー作品ということですが、これだけ重層的な構成を見事に描いているのは素晴らしいと感じました。氏の他の作品も読んでみようと思います。









