Chirping Insects

まだまだ暑さが続いておりますが、公園に行くと虫の声がよく聴こえてきます。鳴く虫は、マツムシ、スズムシ、コオロギなどが有名ですが、今日はこうした秋の虫の話をしたいと思います。そもそも、彼等はいったい何の目的があって鳴くのでしょう?
理由は幾つか有るようですが、丸めてしまえば、人と同じく仲間内のコミュニケーションの手段とも言えます。縄張りの誇示とか、嫁さま募集の婚活とかが代表的なものになります。僅かな例外はありますが、鳴くのは基本的にオスだけのようです。細かく言うと、バッタの仲間と、キリギリスの仲間(コオロギ含む)に別れますが、鳴き虫は基本的に後者になります。ナキイナゴやショウリョウバッタのように脚と翅を擦って音を出すバッタ類もおりますが、キリギリスやコオロギなど正統派の鳴き虫は翅と翅を擦って音色を出します。言うなれば弦楽器を奏でる音楽家です。
集団のコミュニケーションが音色なので、彼等(キリギリスやコオロギ)は耳が発達しています。面白いのは、耳の位置が、哺乳類のように目の側ではなく、前脚の関節付近にあることです。耳の奥には液体槽があって、振動を
感知します。これはヒトの耳と同じ仕組みです。位置が頭部より地面に近いのは、住空間である地表近くでは、音が速く下から伝わってくるためかも知れません。何億年もの歴史を踏まえた昆虫の知恵なのでしょう。