新年度始めのご紹介は、アリスン・モントクレア女史のシリーズ四作目にあたる『ワインレッドの追跡者』です。今回もあっという間に読了、山田久美子さんの訳出が現代的で分かりやすい点にも助けられました。アイリス・スパークスとグウェン・ベインブリッジのコンビは、それぞれ人生のなかで課題を抱えつつも、良き相棒と共に仕事をしていくことを、自らのアイデンティティの第一歩に掲げており、陰に日なたに互いを支えながら人生を前に進めています。フィクションとは言え、こうした関係はうらやましいですね。昨今は一事が万事、個人主義がはびこり、スポーツでもない限り「パートナーシップ」なるものが死語になりつつあります。ミステリーでも、コンビものが人気なのは、こうした世情を反映したものなのでしょう。それにしても、登場する男性陣(警察含む)の情けないこと。今回もまた振り回されっぱなしでした。にも拘らず、少なからず難がある男に心迷いしてしまう優秀なレディたち。それまた不可思議な人間力学です。









