あの「貧乏お嬢様」シリーズの作者、リース・ボウエン女史の作品は、いわゆるコージィ・ミステリーなので、いままで敬遠しておりましたが『口は災い:Murphy’s Law』(2001年)をはじめて読んでみました。この本は女探偵「モリー・マーフィー」シリーズの第一作目にあたります。ヒロインのモリーはアイルランドからの(不法)移民で、人種のるつぼ、そして自由の街、ニューヨークで大活躍するというストーリーになります。ライト・ノベルっぽく、細かなプロットをあれこれ詮索せずに、気楽に読んで愉しめる一冊だと感じました。それでも、この本の最も特徴的な部分でもある、1901年エリス島の入国審査の情景は、脇役陣の描写も含めて、なかなか詳しくて勉強になりました。今から数えて、125年前のアメリカ。多種多様な移民を受け入れて、いまや世界を(いろんな意味で)牛耳る巨大国家となっているのを知っている身としては、どこかの極東の小国が「なんとかファースト」とか喧伝して、海外からの移民を排斥しようとしている姿をみていると、不寛容な民族主義というのが、国として正解なのかどうかは考えてしまうところです。









