Agatha Christie 34…Reread

有名な割に読んでいないクリスティ作品になりますが『ゴルフ場殺人事件:The Murder on the Links(1923)』があります。何しろ外は暑いので、外出せずにたまたま観たテレビ番組でこれがあったので、一旦観てから本を借りてきました。本とテレビドラマと出来栄えを比較したかったからです。今回のポイントはヘイスティングが恋に落ちるところですが、本とドラマとでは多少内容は違っていました。とはいえ、彼がなぜにアルゼンチンに行って牧場経営したのかが、私のなかでは抜けていましたが、これで得心しました。基本的にはドラマより本の方が、頭のなかで勝手に妄想が膨らむので味わい深いのですが、今回のドラマでも女優のイメージがダイレクトに目に焼き付いてしまうので、その点はやや微妙になりますね。真犯人役もシンデレラ役も魅力的な配役でしたが脳内イメージとは異なっていました。もう一つ感じたことは、クリスティは英国的というか、やはり血脈を重要視していますね。生物学的には説得力があると思うのですが、血筋が良ければ英雄が生まれても当然、悪しき家系だと同じ災いを繰り返す、という観点のようです。当人の努力や矯正の有効性を軽視あるいは否定するという意味では、やや残念な見方になりますが、これは当時の英国社会の一般的な評価なのかも知れません。