シャロン・ボルトン女史の第三作目『緋の収穫祭:Blood Harvest』(2010)は出だしからゴーストストーリー風の展開になっていますが、ボルトン女史らしくちゃんとロジカルに展開されています。ですが、「収穫祭」となもなると、ハロウィンやカボチャお化けを連想してしまうように、そこは不気味な演出をしています。イングランドもケルト文化の影響が色濃く残っており、舞台となった小さな村では特異な形で伝統文化が残っていた、という前提でストーリーは続けられていきます。産科女医や女獣医などリケジョが登場してくるのがボルトン女史の作品の特徴の一つになっていますが、ここでは脚の不自由な精神科医がヒロイン役を務めております。ハンディキャップを抱えている点も共通項かも知れません。そして引き立て役としては、今回は英国国教会のイケメン?司祭が登場してきます。考えてみると、ボルトン女史が考えているターゲット読者層は女性、それも苦労して働いている女性たちになっているように思えます。加えて、結婚や恋愛が目的化されていない点も押さえており、欧米諸国に限らず、今日の女性陣が抱く性向にフィットしているのでしょう。もちろん男性諸氏にも十分楽しめる、テンポの良い展開になっています。やはり売れている作家は戦略がしっかりしていますね。とはいえ、多くの子どもが犠牲者になっている本作品は、フィクションとは言え個人的にはあまり好きな小説ではありませんでした。ミステリーとしては秀逸ですがね。









