Aaron Elkins

スケルトン探偵、ギデオン・オリヴァーが織りなすミステリー『暗い森:The Dark Place』(1983)は、切り口がなかなか面白い作品でした。作者のアーロン・エルキンズは、自身が形態人類学者でもあり、わたしたちが普段はまったく触れることのない「白骨探偵」の土俵に引きずり込んでしまうので、その先はまったくもって作者の独壇場での展開に振り回されるという事になります。要は残された骨片から、生前の身長・体重・性別・年齢や病歴まで分析し推論を立てていくという手法は、法医学者でさえもさじを投げる分野で、いわば掟破りなアプローチではありますが、その世界に少しでも興味や関心をもてるならば、愉しめることは請け合いです。本作品は第二作目になるそうですが、北米大陸で失われた先住民族の話がテーマになっており、これは私たち日本人にとってのアイヌ文化や民族のように、アメリカ人の少なくない読者には心惹かれるテーマになっています。エルキンズ氏が描く他の作品についても、舞台を全く変えて面白い展開を繰り広げているようですので、文化誌や民俗について関心の高い自分としては、他の作品も機会を見つけて是非とも読んでみたいと思っています。