CAROLYN KEENE

知る人ぞ知る「女子探偵ナンシー・ドル―」シリーズの第20作目ということで、『歌うナイチンゲールの秘密』(1943)を読んでみました。このシリーズは1930年から今日まで続いているほど米国では人気なのですが、この長さから分かるように、キャロリン・キーンはペンネームで、複数のゴーストライターによって書かれてきたものです。さすがシンジケートの本山である米国ならではの量産体制です。いままで二百冊以上もの作品が挙げられているそうで驚きました。このシリーズのそもそもの始まりはいわゆる少年少女向け(ジュヴナイル)ミステリでしたが、今回自分が手にしたハードカバー本は論創社からミステリ・シリーズの一冊として発刊されていることからも分かるように、内容的には広い年代向けの海外ミステリとしても十分に耐えうる内容になっていると思われます。私自身も眉を顰めたり、ハラハラしたりしてテンポのいいストーリーで愉しめました。暑さにうだるような日々が続いております、こうした軽妙なミステリを選ぶには、今はいいタイミングです。