Miss Read 2

ミス・リード女史が描く世界は長閑で、田舎の人たちの優しさが懐かしくなったときに読むといいと思います。今回の『村の学校:VILLEGE SCHOOL』(1955)は女史の処女作且つ代表作で、南イングランドにある、絵のように美しい自然に囲まれたフェアエーカー村、そこの小学校の女校長、ミス・リードの一年間の暮らしを淡々と描いています。生徒や教師、牧師さん、訳ありの父兄など、面白い人々に囲まれて、村の伝統行事や学校行事を通じて、地域社会のなかで子どもたちだけでなく、父兄、そして教師たちも成長していく物語です。都会の喧騒のなかで私たちが忘れかけているサムシングを、ここでは思い出させてくれます。今回も中村妙子さんの翻訳は絶妙で、英国風ウィットを効かせて、幾度も笑わせてくれます。個人的には、戦後の公共教育に閉口してきたので、もしもこうした世界を少しでも体験していれば、まるで違った人生を歩むことになったかも知れません。