John Blackburn

ハードカバー本ミステリには、良質な作品を並べたシリーズがあります。論創社が出版している論創海外ミステリがそれです。著名な作家の作品もありますが、こうしたシリーズに列挙されることで、あらためて世間一般での注目を浴びる作家もおります。ブラックバーン氏は、どちらかと言うとオカルトホラー小説家とカテゴライズされてしまうのですが、その内容はミステリ作品としても、十分にハイレベルなものだと評価されているようで、この論創海外ミステリにも選ばれているのでしょう。1969年に上梓されている本作『闇に葬れ:Bury Him Darkly』は、とある奇人の墳墓に隠されている「謎」に対して、様々な立場の人々が命がけのアプローチを行います。この「謎」たるやとんでもない代物で、扱い方一つで世界がひっくり返ってしまうほどの存在です。詳細は控えますが、読み終えたときに、ここで繰り広げられているのは「科学と信仰の間の聖戦」だと感じました。多くの日本人のように浅薄な信仰しかもっていない人にはピンとこないでしょうが、宗旨は異なれども、どこかに信仰という背骨をもっている欧米社会の人々には、がつんと響くテーマのように思えます。経歴をみてみると、父親は牧師であり、少年時代は牧師館で育ったようです。なるほどと思えました。