イーデン・フィルポッツ2

今までほとんど在宅勤務でしたが、仕事が変わり、とにもかくにも出社するようになり、結果的に「通勤」にかかる運動量が飛躍的に増えてしまいました。加えて、余りの暑さも相まって、平日にカメラを帯同する気力も、週末にお出かけする体力も失せてしまいました。本屋にも図書館にも行けないので、Kindle三昧しようかとも考えましたが、昨今はあちこちの図書館で古典名作のウェブ貸出を始めていることを思い出し、登録している図書館の在庫を調べたところ、自分が読み漁っている英米ミステリはかなり多いのがわかりました。もちろん新訳本ではないのですが、気軽に借りられるメリットを考えると、そこは最早重要な点では無くなっています。前から読んでみたいと考えていた、フィルポッツの『闇からの声』を借りて、早速読んでみました。週末だけ解禁しているワインを片手に、エアコンの効いているリビングで、クリック一発で名作を読み始められる便利さは有り難いと思います。さて、本題ですが、あらためてフィルポッツ作風に感化されてしまいました。登場人物の感情のひだを丁寧に描いている彼の文書構成は、多少の内面描写をさておいてトリックに重きをなす小説(自分的には苦手なタイプ)とは、一線を画しています。邦語訳も読みやすいので問題はありません。この時期の作家にありがちですが、 ハリントン・へクストという名前でもミステリを出していますので、そちらの本も探してみようと思います。