LORRAINE HEATH

体調がいまいちな時は、小難しい本は避けたいので、生まれて初めてハーレクイン文庫なるものを読んでみました。おそらく読者の殆どは女性でしょうね。表題著者による『侯爵と裏通りの姫君』という物語で、云うまでもなくシンデレラストーリーとなっています。戦後日本に長らく過ごしていると、こうしたシンデレラ物はピンとこないのかも知れませんが、英国社会ではいまでも厳然とした「階級」が存在しており、社会生活の至るところで階級の壁に当たるはずです。これを跨った婚姻はご法度だという点は、おそらく(しあわせな)日本の子供らには理解しようとしても理解できないはずです。この作品のミソは、単なる玉の輿に乗ったストーリーではなく、女性の自立とは何だろう?というテーマを上手に描いている点にあると感じました。人によって「大切なモノ」「譲れないモノ」は様々です。なので、結婚して子どもを作り家庭を築いていく、それだけが道ではないのだと思います。とはいえ、結婚したい人には、「この人なしでは生きていけないと思える相手を選ぶことよ。そうしなければ本当の人生を生きていないのと同じだから」主人公との結婚式を逃げたラヴィニアの言葉を贈りたいです。一度だけしかない人生なので、周囲やお相手に流されることなく、自分自身でこれだと選んだ道ならば、覚悟を決めて歩んでいけるはずです