花粉症がひどくなり、諸々の活動が停滞しています。さて本日のテーマは、『川が流れるように:Go as a River』(2023)です。いわゆるミステリー小説ではありませんが、タイトルに惹かれて読んでみました。
女性の目線で一人の女性の半生を描いた物語です。舞台は多くの人々が苦しんだ第二次大戦が終わったのもつかの間、ベトナムに多くの若者たちが徴兵されていた時代で、戦地から遠く離れたコロラド州の山間部にある田舎町の、とある桃農園に生まれた主人公ヴィクトリアの、不器用ながらも前に進もうとする波乱万丈な生き様には圧倒されました。アメリカの物語らしく、ここでも人種に対する偏見が色濃く描かれています。コロラドでも多くの先住民が居留地を追われてしまった話が織り込まれ、彼等を蔑んでいた白人が住んでいた町も、やがては発電・治水工事のために大規模ダムが建設されることになり湖の底に沈むことになります。地図からは町の名前が消え、そこで生活を営んでいた人々もまた、先住民たちと同じように故郷を追われる身になった訳です。それでも形を変えて川は流れていきます。ぶつかっても曲がったり乗り越えたりして流れは続きます。川の流れは泥や小さなかけらを拾って一緒に運んだり、別の流れとつながったりしながら、次第にゆっくりと大きな流れに遷移していきます。人の生きざまも同じように思えます。涙が止まりませんでした。今年のマイベストの一冊にあたります。









