大好きなテイ女史の作品のなかでも評価の高い『魔性の馬』(1949)を読んでみました。全米の書店による「二十世紀のミステリ百選」にもノミネートされている一冊です。アシュビィ家に起きた、双子の長兄の失踪に端を発する、謎の多いストーリー性に惹かれて、単行本350ページあまりの物語でしたが、一気に読み切ってしまいました。主人公が思索的な、なかなかいい男で、周りを囲む女性陣もそれぞれ個性があって、とても魅力的です。こうした本は読んでいるうちに没入して、感情移入ができるから好きです。しかも単なる謎解き本ではなく、すてきな英国の田舎の情景や、そこに住む人たちの心根などが上手に描かれているので、いつの間にかテイの世界のなかにハマっている自分がいます。こうしてみると、作家による物語の構成がとんでもなく考え抜かれて作られているのでしょう。テイ女史もやはり別のペンネームをもっていて「ゴードン・ダヴィオット」名義で幾つかの作品を手掛けています。そちらの方も早々に読んでみようかと考えています。









