Miss Read

図書館で目についたのがミス・リード女史の『エミリー先生:EMILY DAVIS』(1971)でした。ちなみにこの本はミステリーではありません。英国の田舎町に生きた一人のご婦人の一生を通して、二十世紀初頭から現代までの英国の田園生活を描いています。人が生きていくうえで、本当に大切なものは何なのでしょうか。そのことを教えてくれています。国や時代は違えども少しも変わらないなと感じました。サラリーマンという選択をしてしまった自分ですが、あらためて教師という仕事に気高さと素晴らしさを覚えますね。訳者は中村妙子さんで、いつものようにとても分かり易い邦語訳でした。よき思い出は、その人がいなくなっても残されていくことでしょう。そして関わった人たちに希望と勇気を与え続けていくはずです。関わり合うこと「Involved」というのは根源的に人間の生きざまのなかで最重要なことで、それは教師と教え子という関係のみならず、親子、家族、そして親友たちの間でも同じことが云えるでしょう。最後の文節にある言葉が頭から離れません。「季節の循環は変わることなく続くだろう。蒔かれ、成長し、収穫され…。人生は続いていく。人生はいまだに甘美だった。」