前作が面白かったので、サラ・スチュアート・テイラー女史の邦語訳二作目『死者の館に:MANSIONS OF THE DEAD』(2004)を沖縄旅行中に読了しました。徒歩で徘徊するのは疲れるし、今回はバスで移動しまくったので、時間待ちも多く、読む時間に困ることはありませんでした。魅力的な主人公、スウィーニー助教授のここでのテーマは、日本人には馴染みの無い「モーニングジュエリー(服喪用装身具)」がポイントになっております。18世紀後半から19世紀にかけて流行した、故人の髪の毛で作られたブレスレッドやネックレス等のヘアワーク飾りが、今回の鍵となっております。髪は腐敗しない部分なので、これを身に付けることで故人への深い哀悼の気持ちを表せるという、云わば社会生活における一つのマナーになっていたようです。当時は今よりもずっと「死」は身近で、また頻繁に向き合わねばならないものだったようです。子どもたちの夭折は多くありましたし、若くして未亡人となってしまうケースも現代とは比べ物にならぬくらい一般的に起きていました。そうしたモーニングジュエリーに刻まれていた出生日付が、墓石のそれと異なることから事件は混迷していきます。









