Anthony Berkeley 7

早くも師走に突入してしまいました。さて今回は、大好きなアントニィ・バークリー氏の作品『最上階の殺人:Top Storey Murder』(1931)はやはり期待を裏切らない出来栄えでした。90年以上前の作品ですが、人の愚かさは変わらないようで、そのプロットは今でも違和感なく愉しむことができます。お約束の迷探偵シェリンガム氏のドタバタと、彼を囲んでいるひとクセある女性たちとの絡み合いも愉快です。それでいて、複数のアリバイの分析と真犯人の絞り込みは、なかなか鋭くて唸ってしまいます(結果的には外れますが)。今回のヒロインは秘書役のステラ・バーネットで、被害者の姪に当たりますが、事件の進展(もとい迷走)に彼女の存在は欠かせません。いずれにしてもシェリンガム氏はしっかりとしたパートナーが必要なようです。