Reginald Hill

たまたま別のミステリーのあとがきで、「そもそもミステリーとは何ぞや」という問いかけに、レジナルド・ヒル氏のことを取り上げていましたので、図書館で『異人館:The Stranger House』(2005)を手に取りました。件のあとがきでは、人間の所業を描くに際して、どの面から捉えるかで小説のカテゴリーはどうとでも分類できるが、その物語を感情面から描く限り、これらをミステリーと定義することは間違っていない、とかいう趣旨だったと記憶しています。ヘレン・マクロイ女史もそうですが、自分は「人の深層心理の機微」を描いた作品が好みです。プラスするとすれば「時空を旅すること」だと思いますが、本書はいずれもカバーされているので、まさに自分の好む作品であり、ミステリー小説だと感じました。オーストラリアと英国、近いようで遠い兄弟ですが、メンタリティ的にもかなり隔たりがある感じです。氏素性のしれない赤の他人ならまだしも、厄介なことに「血脈」や「因縁」の繋がりも、物語の重要な伏線になっているようです。読み手の心に響く内容だと感じました。