Émile Gaboriau

フレンチ・ミステリーにとどまらず、近代ミステリー小説の創成期における第一人者がポー(Edgar Allan Poe)である点は誰しも納得できる話ですが、氏が1841年に発表した『モルグ街の殺人』は短編でした。では、長編ミステリーの草分けは何かということで調べたところ、フランスのエミール・ガボリオが1866年に発表した本作『ルルージュ事件』に当たるようです。さっそく図書館で調べて取り寄せて読んでみました〔訳者は太田浩一氏〕。ハードカバーで400頁以上あるので、さてこれは時間が掛かりそうと思っていましたが、テンポがよく内容も面白かったので、早々と読むことができました。こうした作品が150年以上前に出来上がっていたことに舌を巻きます。やはり世界は広いです。フランスものらしく、情愛がメインで展開されていくわけですが、上流階級だろうが知識階級だろうが、本当に色恋沙汰に弱い男ばかり出てきます。でてくる女性陣含めて、フランス人というのは何とまあ情熱的な人々なのでしょう。でも、前にも述べましたように、日本人とフランス人はどこかしら似ているようにも感じてしまいます。どちらにしても理屈より感情が優先するような国民性に思えます。なんとなく共感してしまう自分がおります。