ラプトン女史のデビュー作になる『シスター:Sister』(2010)を読んでみました。選んだ確たる理由は有りませんでしたが、姉妹の感情たるや、自分の感覚にない世界なので、書物に触れることで何かを理解できればと思ったからです。ケンブリッジを卒業し、ニューヨークで働いている主人公ですが、遠くイギリスに居る美大生の妹には、妙な違和感とある部分の共感を覚えている様子。そんな妹が失踪し、やがて帰らぬ姿で見つかります。アリバイなどの状況証拠を集めながら、警察はその死を「事件性はなく自死である」と結論づけて捜査を終了してしまいます。ところが感情的には収まりません。「私が知っている妹は自死を選ぶような人間ではない」と考えて、主人公は真実を突き止めようと会社も辞めて、婚約も反故にしてしまい、イギリスで犯人探しを始めます。そこから色々な事実が出てくるのですが、動機はあっても証拠に至らない容疑者ばかり、どんどん深みにはまっていきます。この本で初めて知りましたが「嚢胞性線維症」という指定難病が、欧米白人ではかなりの頻度(出生者三千人当たり一人)で発症するそうです。遺伝病で、夫婦双方がキャリアのときに生まれるとのこと、人種によってこうしたリスクがあることは驚きでした。ストーリーは非常に分かり易く、長編ながら読み進めることが出来ましたが、テーマの根っこはなかなか難しいものがありますね。考えることが多くありました。









