Lawrence and Nancy Goldstone 2

ローレンス&ナンシー・ゴールドストーンの稀覯本マニア夫婦による古書店巡りの第二弾、『旅に出ても古書店めぐり:Slightly Chipped』(2016)をご紹介いたします。故事で「病膏肓に入る」という言葉がありますが、もともとは、「膏」や「肓」は内臓の深いところに位置しており、病気が進んで名医でも手に負えなくなる状態を指していますが、いまでは趣味や道楽が深みにハマって何人も手に負えない状況に陥ることを表す意味で使われています。魚釣りやカメラなどの趣味道楽を経験してきた身としましては、苦々しくも、よく理解できる言葉です。古書店巡りも同じかもしれませんが、こうした道楽で一般的に陥りやすい過ちとしては、目的と手段がごちゃごちゃになってしまう点にあります。この本を読んでみて感じたことも同様で、珍しい稀覯本(きこうぼん)を見つけることだけが目的ではなく、古書という一点物の価値を、さまざまな書肆(しょし)店主との出会いを通じて気づいていくというプロセスが最も大切なことなのでしょう。前作に比べてみると、そのあたりが弱かった印象でした。マニアックすぎるのも如何なものかと、自省もふくめ自分的にはやや引いた感じです。取りいそぎ前作については古書で入手しましたので、また「Reread」して感想をどこかで書いてみます。わたしとしては「古くとも魅力たっぷりなミステリー」を出来るだけ多く読み漁りたいので、この古書マニアが話題にあげている「魅力あるレガシー本」をリストアップすることから始めたいと思います。