再読で選んだのは、一気に現代に戻ってケイト・モートン『リヴァトン館:The Shifting Fog』(2006)になりました。文庫本で読んで、気に入って買ったランダムハウス講談社の単行本版はそのまま本棚に寝ていたこともあり、再読とはいえ初めて読んだ気になりました。実際にはモートン女史のデビュー作品になるのですが、それを感じさせないほど完成度の高い物語だと思います。栗原百代さんの翻訳が素晴らしいこともあって、最後まで飽きさせずに読み進められました。時空を結んだ愛憎と絆、親から子、そして孫に至るまでの物語は、再読でもやはり感動してしまいます。自分にとってかけがえのない大切な人に対して、たった一度の言葉のあやが大きな悲劇を導く導火線になってしまう。そんなことが古今東西そこかしこで起きてきたのかもしれません。とても悲しくなってしまいますが、最後はそれを墓まで持っていくのか、それとも最愛の人に預けるのか、グレイスの母や、グレイス自身のように、一個の人間としての生きざまは様々でしょう。もしこれが自分ならば、果たしてどうしたのだろうかと思いを馳せたりしてしまいます。
昔のエッセイ↓
http://duke-box.sblo.jp/article/189320612.html









