NICOLAS FREELING 2

早川書房のポケットミステリー(ポケミス)は新書サイズで読みやすいはずなのですが、紙も柔いし薄いので頁めくりが大変、そんなわけでめったに手にしません。ですが、フリーリング氏の小説を読むには、これの中古本しかないので是非もなく手にしました。『バターより銃:GUN BEFORE BUTTER』(1963)も、ファン・デル・ファルク警部の物語ですが、この本での相方が面白い。怖いもの知らずのルシエンヌは、癖のある男どもに愛されつつ、かき回していきます。1960年代は、こうした「自立した女性」が次々と世に出てきた頃なのかも知れません。笑えるのは、女性の方はまずまず自立しているのですが、周囲の男どもが旧態依然で自立できていないことです。愛する女性を「保護すること」「所有すること」から脱却できずに苦悩している感じです。情けない話です。ちなみに、舞台を現代にしたテレビドラマの方では、ロシエンヌはなんとファルクの唯一無二の同僚刑事として活躍していきます(しかもLGBT)。そんな世界を懐きながら、原作を読んでいくのもまた愉しい話です。