アンソニー・ホロヴィッツ4

7月になりました。これから本を読む時間が増えそうです。作品とのいい出逢いがあれば嬉しいのですがね。今日のご紹介はホーソーン&ホロヴィッツのシリーズ四巻目『ナイフをひねれば:The Twist of a Knife』です。2022年発表の作品なので、邦訳本としては最も新しいものですが、今回もまた愉しませて貰いました。お得意の劇場舞台に絡めた殺人事件で、最も怪しいとされた犯人が、なんとホロヴィッツ自身となってしまい、逮捕拘留されてしまいます。そんな時も頼りになるのは近づきたくない相棒、ホーソーンで、結局は彼の助けなくホロヴィッツは警察の追求からは逃げられません。殺されたのは劇評家で、ホロヴィッツの脚本をボロクソに評価した翌日にナイフで刺殺されてしまいます。そしてナイフにはホロヴィッツの指紋、遺体にはホロヴィッツの毛髪と、まあ動機も状況証拠も揃って、極めて追い詰められたなかでの真犯人探し。
ホーソーンの絶妙な取り調べで、今まで隠されてきた関係者の本当の姿が次々と露呈していきます。サスペンス性もあり、情けないホロヴィッツが右往左往する姿に同情を禁じえずも、「もう少し脇を締めんかい!」と活を入れたくなるような場面もあり、気がつくといつの間にか読了してました。