Sophie Hannah

3月の始まりは花粉症の洗礼を受け、昨日はボロボロで半日寝込んでおりました。さて今回は、クリスティの作品、名探偵ポアロを遺族公認という形で引き継いだのが、英国作家ソフィー・ハナの紹介になります。彼女の第二作目となる『閉じられた棺:Closed Casket』(2016)です。公認クリスティ文庫の後継作家として挙げられるだけあって、彼女の筆力はなかなか大したものです。クリスティ女史が作品を綴ってきた時代背景に合わせて、彼女のオマージュを滲ませながら、一味異なるポアロ像を描いております。ヘイスティング大尉の代わりの語り手として、スコットランドヤードの新進刑事エドワード・キャッチプールを登場させて、物語に新風を吹き込むことに成功しました。偉大な作家とあれこれ比較して、内容を論じることには意味がないので、シンプルに一つのミステリー作品として愉しんで読むと良いでしょう。出来はまずまずで、読みやすい作品だと思います。雰囲気も出ています。ハナ女史、日本ではほとんど知られていませんが、詩人、児童作家、ミステリ作家として海外ではかなり知名度が高く、映像化もされているとか。クリスティもの以外も邦訳してもらいたいものです。