NHK朝ドラでお馴染みの、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談:KWAIDAN』(1904)を久々に読んでみました。この書は日本文化・民俗の一端を描いておりますが、深く理解するためには氏の来歴を知っておくことが必要だと思います。ハーン氏はアイルランド系イギリス人の父親とギリシア人の母親との間に生まれましたが、やがて両親は不仲となり、親を離れて大叔母に引き取られました。その大叔母は厳格なカトリック教徒だったため、神学校に入れられたのですが、何故かそこで一神教に反発を覚えます。多神教のギリシアの血がそうさせたのか、幼年期の環境でひねくれたためかは不明ですが、自らのいる社会の普遍性に対して、妙な反骨精神を発揮します。やがてアメリカに渡ることになるのですが、そこでも当時の州法で禁じられた黒人女性との結婚に走り、社会生活も破綻してしまいます。逃避したニューオーリンズで万国博覧会が開催されたことがきっかけで、欧米社会とはまったく異質な日本文化に強い関心を抱いて、日本に渡って多くの著作を残しました。今回紹介する『怪談』も、ハーン氏が集めた日本各地の不思議な話を、氏の見事な脚色で描いております。然しながら、氏はこの書をあくまで欧米の読み手に向けて作っていますので、日本人の読み手にとっては、微妙な違和感を感じるかもしれません。









