Ellis Peters 18

「修道士カドフェル」シリーズの第14作目『アイトン・フォレストの隠者:The Hermit Of Eyton Forest』(1987)大出健訳、光文社文庫版になります。今回はシュールズベリーの脇を流れているセヴァーン川の下流に位置する「イートン荘園」の荘園主の息子リチャードにまつわるお話。リチャードは未成年でしたが、野心家で権勢をもっている母親の影響から引き離すために、荘園主は修行のためにと称してリチャードを修道院に成人になるまで預けるという約束を結びましたが、荘園主は戦いの傷がもとで亡くなってしまいました。野心をもった母親が、力づくでリチャードを隣の荘園の跡取り娘と結婚させようと、修道院に引き取りに来ますが、修道院長は生前の約束は反故にはできないので断ります。当時の荘園主は自らの権勢を誇示しようと、こうした姻戚関係を強化しようと謀ります。リチャード自身もまだ若く、政略的な婚姻も望んでいないにも拘らずです。しかも有能な執事がいるため、リチャードが慌てて姻戚関係を結ぶ必要はありません。母親は策謀をめぐらして修道院側に圧力をかけてきます。そして、そのような状況下で当のリチャードが失踪してしまいます。一方、荘園には得体の知れない隠者が住み着きます。というストーリーで始まる物語ですが、今回もいいテンポで話が進みます。ハラハラする場面も多いのですが、肝心なところでカドフェルが事件を解決に導いていきます。面白い展開でした。