Aaron Elkins 11

今回はアーロン・エルキンズのスケルトン探偵シリーズ、『葡萄園の骨:DYING ON THE VINE』(2012)を紹介しましょう。形質人類学者ギデオン・オリヴァー博士もの第17作目というので、かなり新しい方の作品で、邦訳版はこれでお終いになりますが、よくもまあ骨ネタが切れずに続いてきたものだと感心してしまいます。おそらくは舞台となる地方ごとの特徴や、そこで出される郷土料理のウンチクなどが満載で、読者が飽きずについてこられるからでしょう。今回はイタリアのトスカーナ地方のワイナリーが舞台となっておりますので、これらに加えてワイン造りの面白い話も織り込まれています。もちろん、作者の得意な絵画や芸術の話も少し触れていますが、そちらについてはかなり抑制的に描かれています。ミステリー作品というよりウンチク紹介作品という点で、エンターテイメント性はその点では高いと思いますが、「動機」とか「捜査手法」については既視感も有り、さほどプロセスを捻っておらず、どことなく息切れ感を感じてしまいます。まあウンチク小説としては十分楽しめますので、そちらに力点を置いて読み進めるのが良いかも知れません。