精緻なアリバイ・トリックを描くために文章が緻密に構成されているので、個人的には苦手な分野の作家ですが、論創海外ミステリにヤングアダルト(ジュヴナイル)小説が選ばれているのを発見。これなら自分でも大丈夫だろうと手にしたのが、『少年探偵ロビンの冒険:Young Robin Brand, Detective』(1947)です。ロビン・ブランド少年が学校の長期休暇に合わせて出向いた、親友の家で過ごしたときの「事件」を描いています。たしかに文は平易で、読みやすいものに仕上げておりますが、ロビン少年の推理の進め方や行動など、クロフツ流の緻密さを感じるものがあります。鉄道の橋梁整備にかかる工事現場を舞台として描いておりますが、鉄道を絡めたアリバイ崩しのミステリはさすがクロフツです。しかもフレンチ主任警部もいい脇役で登場させているので、クロフツのファンも喜べる内容になっているのではないでしょうか。この物語を描いた時代ははるか昔ですが、それでも今読んでいても違和感は殆どありません。いい作品はいつ読んでも素晴らしいです。









