アガサ・クリスティ25

短編は侮れないと見直しましたが、今回はポワロやミス・マープルに負けず劣らず、クリスティ作品では人気の主人公「クィン氏」の話をまとめた短編集です。クィン氏(ハーリ・クィン)は実際の生業は不明ですが、事件解決のために探偵役として活躍します。かならず語り手として登場するのが目立たない紳士「サタースウェイト氏」で、彼がいるところで事件が起きると(というより彼がいると事件が勃発する。それも男女間の愛憎に絡めた事件が)どこからともなくクィン氏が登場してきて、素晴らしい手さばきで事件の謎を解決していくと言った構成です。短編なので、それぞれ舞台が異なりますが、基本的には全て同じ展開です。だからと言って詰まらないわけではなく、肩も凝らず面白いです。流れは分かっていても、読み手は愉しんで読みすすめることが出来ます。年末年始はこういう本が良いかも知れません。

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