Ellis Peters 19

手許には「修道士カドフェル」シリーズの第15作目『ハルイン修道士の告白:The Confession of Brother Haluin』(1988 )が欠品しており、図書館で借りてきました。借りたのは岡本浜江訳の光文社文庫版です。スティーブン王と女帝モードとの間で続く、イングランドの覇権を争う戦いは膠着状態が続いていましたが、オックスフォードで包囲されていた女帝が、雪にまぎれてまんまと逃げおおせて局面は変化、これからまた、住民にとっては益のない戦が続くのでしょうか?
今回はシュールズベリーの修道院で働く写本彩飾師でもある、ハルイン修道士は雪の屋根から滑り落ち重症を蒙ります、件名の救護により一命を取りとめましたが、人の命の儚さや、死ぬ前に必ずやり遂げねばならないことに気づきました。死に別れた恋人の供養・祈りのために、彼女の墓があるとされている、シュールズベリー東の彼方にある荘園に出向き、墓前で祈りを捧げたいと院長に伝えます。院長は脚の悪いハルイン修道士に許可を与え、その介護役としてカドフェルを遣わします。そこでは歓迎の裏腹に、何かの秘密が隠されていることをカドフェルは勘付きます。今回の話にも若い二人の恋情が描かれていて、このシリーズの骨格になっているようです。修道士ものは堅いイメージですが、こうした脚色で、本国イギリスでは大人気だったようです。90年代テレビドラマ化もされており、第四シーズンまで放映されました。かなり昔にミステリーチャンネルで放映があったようです。再放送があれば観てみたいものです。