S.J. Bolton

古書店でなんとなく手にした本、S.J.ボルトン女史の『三つの秘文字:Sacrifice』(2008)を読んでみました。イギリスのシェットランド諸島が舞台だったので、興味を持ったのですが、意外にも(失礼ながら)面白くて上下二巻をすぐに読んでしまいました。本国でも評判だったようで、NWA賞メアリ・ヒギンズ・クラーク賞にノミネートされた作品だということです。たしかにテンポがよくて、ワクワクしながらページを進めることができました。主人公に共感できない作品はダメなのですが、この本のヒロインとなる産科医師トーラのキャラもなかなか個性的で面白く、それが気に入りました。ここでは「出産」というのが一つのテーマで、それを巡って色々な想念が渦巻いて、不気味な殺人事件が引き起こされます。人物描写や展開に多少粗削りなところはありますが、デビュー作なので割り引いて構わないでしょう。これからの成長を見たいので、次作以降も読んでみようと思います。