カミさんの母親(私にとっての義母)は、その昔は学校の先生だけあって読書が大好き、90歳を超えた今でも書棚にどんどん新しい本が溜まっていきます。読まなくなった本の処分がてら、カミさんが実家から持ってきた一冊が養老孟司氏の『養老訓』(2007)なる本。文庫本で200ページ足らずの薄い本ですが、古書店に処分せずに、わざわざ私に持ってきたのは、フラフラしないで幾つになっても自己啓発せよという意味合いでしょうか。ともあれ読んでみると、これがなかなか面白い。とりわけ企業という組織の中で培養されてきてしまった精神構造というのは厄介で、たまにはこうした「ガイアツ」を与えないと、組織を離れてからの言動に悪影響を及ぼし続けてしまうようです。現代社会では「言語化」することが何より肝心だと教えられますが、だからといって課題解決につながるとは限りません。知ったように「幸せとは◯◯である」というのもウソで、実際には起きてみないと、感じてみないとわからないものだと氏は伝えています。「思いがけない幸せ」はあるのでしょうが、思いがけないから幸福感を感じるのであって、あくまで感覚の産物です。「思い描いた幸せ」というのは虚構の世界だけの話なのかも知れません。少なくとも、氏の言うところの「不機嫌な老人」にはならぬように、まずは体力と感性を整えて行こうと考えております。









