Elizabeth Gaskell 4

隣町の図書館の書庫にギャスケルの作品『シャーロット・ブロンテの生涯:The Life of Charlotte Bronté』(1857)が眠っていることを知り、掘り出してきてもらったところ、カウンターに置かれた本の分厚さに思わず引いてしまいました。本文694ページ、脚注までで780ページ、巻末解説も加えると801ページというボリュームになります。「これは無理だ」と心の声が聞こえたのですが、その本を再び書庫にまで戻すのが可哀相で、結局借りてきました。どうなることかと思いきや、意外にもどんどん読み進められます。おそらく私自身も好きなブロンテ姉妹のあれこれの様子が書かかれているのが嬉しくてページが進んだのでしょう。
1855年にシャーロットが亡くなったあと、誰が伝記を書くのかという議論のなかで、最も適任とされたのは故人と親しかったエリザベス・ギャスケルでした。シャーロットはけっこう気難しく、いろいろな壁を作っていたようです。自身の作品に対する批評にも敏感に反応したりするので、それで健康を損ねた部分もあったように思えます。その割に伝記の中でも、シャーロットがミス・オーティンのことについて辛口の批評をしていることが取り上げられていました。オースティンも、シャーロットも、そもそも住んでいる世界が違うので、本当は比較したところで意味がありません。察するに、ゆとりもなく苦しい境遇に居た(と自覚している)シャーロットにとっては、恋のうつつに悩んでいる様な物語に対しては、嫌味の一つでも言いたくなったのだと思います。ちなみに私はどちらの作品も大好きです。
気難しさは病気がちな家族(父親そして弟と妹たち)を抱えるなかで生まれたものかも知れませんが、それでも家族に対するシャーロットの深い愛情は終始尽きませんでした。このように一面だけで人は語れないと思います。がんばり屋さんだったことは間違いないところです。友人への手紙の中で書かれている次の言葉にも現れています。「わたしは前も後ろも見ないようにしています。そして上を見ているようにしています。いまは悔やんだり、恐れたり、泣いたりするときではありません。神さまはすべてのうえにあります。」牧師の娘なので信仰心は強い女性でした。どこかでブロンテ姉妹の作品について再読し、手前勝手な書評を書ければと思います。