イランと米国・イスラエルの間で争いは、予想通り国際物流の脆弱性を浮き彫りにしました。当初の目論見だった「イランの核開発阻止」については、現下の状況からするとほぼ達成できたように思えますが、イラン側からすると、ホルムズ海峡封鎖というカードが、たいそう交渉面で強力だということが分かってきました。原油だけでなく各種債権も同様に国際マーケットでは「ボラティリティが高い(≒資産価値の変動リスクが高い)」状態を生む鍵がそこにあることを再認識して、今後、両陣営の動静はここの地政学マウントの取り合いになっていくでしょう。然しながら、40日あまり一連の戦闘行為を行ってきた現時点では、兵站面でイラン側に十分な抗戦余地が残されているとは考えにくいですね。戦闘の長期化を避ける方策として、武器調達の原資になる原油輸出を、ペルシャ湾口で阻止することは、有効でリスクの少ない戦術だと思います。こちらがバトルフィールドになれば、市街地でロケット弾が飛び交う状況よりは遥かにマシだと云えますが、物流閉塞で原油並びにLNGや石油化学製品の需給バランスが偏るため、当座は消費財の価格も急騰し、社会生活で不自由さを感じることも増えるかも知れません。とはいえ、原油が枯渇したり雲散霧消するわけでもないので、過剰にボラティリティを高めることを助長する言動は、マスメディア含めて慎むべきだと思います。










