ウナギの博物誌〔Come back Eel〕

四六時中ミステリーばかり読んでいるわけでもなく、興味深い本があれば勿論読んだりしています。今回もそんな一冊です。何を隠そう、神田の古書店巡りは今でも欠かせない道楽で、今回の『ウナギの博物誌』(2012)も店頭のセール箱で見つけてきました。思うところあって今は止めておりますが、二十年前ごろにはウナナマ釣行ということで、天然ウナギ釣りにも精を出していました。フィールドは多摩川や相模湾にそそぐ湘南河川で、ナマズ混じりで、そこそこ釣り上げた記憶があります。このブログのアーカイブ(旧釣行記)にも残しているので、気になる方はご覧ください。自然の世界は知らぬことばかりで、今回の本からも幾つかの重要なことを教えていただきました。ウナギの産卵地域は日本列島のはるか彼方、マリアナ諸島の近くの南洋で、水深3〜4千mの海底にそびえ立つ海中の山々(高さ3千m級で頂上は海表面から数十m程度)付近とされています。日本列島から3千kmも旅をしての産卵活動、本当に信じられません。しかも孵化した卵や幼生(レプトセファルス)さらにはシラスウナギとなって海流に乗って、再度日本の河川に戻ってくるという、これまた壮大な旅をしているのです。このような特異な行動をする魚種は他に類を見ません。然しながら、消費拡大と乱獲により国内シラスウナギの漁獲量はここ半世紀で九割以上減少しました。さらに悪いことに、消費拡大を図るために、業者はヨーロッパやアメリカなどからも、味は劣るも安価なシラスウナギ(別種)を日本向けとして大量に漁獲を拡大、いまやヨーロッパのウナギは絶滅危機に陥ってしまいました。これらは蒲焼きとして加工され輸入、コンビニやスーパーで廉売されてきたので、日本人消費者の一人として何も考えないわけにはいきませんね。