ハルもおしまい_Spring Daisy

牧野先生が「名もなき雑草ではない。人がその名前を知らぬだけだ」と云った言葉を思い出しましたが、いま公園に行くと一般では「雑草」と呼ばれているハルジオン(春紫苑)が、そこかしこに咲いています。花を上から見ると目玉焼き風で、真ん中は黄色で周囲は白くなっていますが、黄色の部分も白の部分も、真ん中の一つ一つ、周囲の一枚一枚それぞれが「花」。沢山の小花の集合体です。5月に入りましたが、これから見た目がほとんど似たような花、ヒメジョオン(姫女苑)に置き換わっていきます。年によって早い遅いは多少ありますが、6月になると、おそらくヒメジョオンばかりになります。ハルジオンは人知れず静かに花期を終えます。ハルジオンは、葉っぱが茎を抱いている点で見分けることが出来ます。花は本当にそっくりですが、ヒメジョオンの方が外周にある白い小花の部分が太目で、その数も少ないです。ヒメジョオンは明治初期、ハルジオンは大正時代に日本にやってきました。どちらも原産地は北アメリカですが、生態は結構違います。ハルジオンはいわゆる多年草で、花が終わっても根は生きていて、次の年にまた花を咲かせます。ヒメジョオンは一年草(越年草)なので、世代ごとに棲み処がかわります。個体ごとに花期も秋口まで続きます。どちらも繁殖力が強く、環境省の侵略的外来種ワースト100に入っていますが、彼らも別に好き好んで日本列島にやって来たわけではないでしょう。元凶はいつでも人間です。両者は故郷を遠く離れた東洋の島国で陣地拡大の競争をし合っています。素人目には、まとめた時期に咲くハルジオンの方が目立ちますが、実際この先どちらが優勢になるのか分かりません。これから一か月、両方が見られますので、路傍で目玉焼きをみつけたら、ちょっと目を向けて下さいね。