淡竹_Henon bamboo

タケの仲間で有名なのは真竹(マダケ)と孟宗竹(モウソウチク)になりますが、それらに隠れて全国的に分布しているのが淡竹(ハチク)です。モウソウチクの筍が一段落して、ちょうど今の時期に筍が伸びてきています。小さいけれど、これがけっこう美味。太さはマダケよりもやや細く、稈(樹で言うところの幹)の色が灰色っぽい感じです。節は二重でマダケと一緒ですが、節の長さはマダケより短いのも特徴です。先日、佐倉に行ったときにも、植物苑にこれがありました。わざわざタケの話に触れたのは、このハチク、昨今、全国至るところで枯死しているからです。身近な植物ですが、タケの生態は分かっていないことが多く、このハチクの周期的枯死は謎のままです。マダケと似ていて120年周期で花が咲き、そのあとに枯れます。開花後に枯れるのは、草本類によく見られる特徴で、年輪も形成しません。こうしたことからタケは木本には分類しませんが、100%草の仲間だと断定するには異形ですね。毎年花をつける植物ならば、開花や受粉の仕組みが研究できますが、ハチクの場合は周期が長いぶん謎が多く残されています。なぜならハチクの花は結実しないからです。それでも千年以上、日本で育っているのはなぜでしょう。理由は、枯死したはずの地下茎の一部が再生して、また次第に竹林が生成されるからです。つまり今日、わたしたちが目にする個体は、中国から移入されてから、千年以上ずっとそのまま同じ遺伝子個体ということになります。地下茎から増殖する無性生殖は、ともすると遺伝子的な多様性を形成できないため、環境要因やウィルスなどの外敵に一旦さらされると、一気に絶滅するというリスクを併せ持っています。これだけ一個体で長期間残っているのですから、かなりスーパーな遺伝子を具備しているのでしょう。