カンアオイ

徳川家のそれで有名なように、家紋に葵紋を使う家は多いようです。ちいさな拙宅庭にもカンアオイ(ランヨウカンアオイ)を植えていますが、居心地がいいのか、なかなか元気です。10年ぐらい居ますので、多年草とはいえ、さすがに世代交代しているはずです。次世代のためには、この草もタンポポなど同様にタネを付けるのですが、そのためには先ず「花」が必要です。地面に近いところに咲いているので、葉をめくってじっくり見てきたところ、ちゃんと「花」が咲いていました。花の意味は受粉と送粉ですので、こんな地べたで一体誰が花粉を運んでいるのでしょうか?こんな雑草を調べる研究者もあまり居ないので、近年までは「ナメクジが花粉を媒介」とか「アリが花粉を運んでいる」とか諸説が飛び交っておりましたが、タマノカンアオイという種の調査では、キノコバエ(キノコに卵を生むちいさなハエの仲間)が花に出入りしていることを発見したということで、今ではそれが一般的に信じられているようです(他のカンアオイはまだ未調査)。たしかに花というよりキノコと言われても、何だかそんな感じです。嗅覚系が発達しているハエを寄せるので、おそらくは特殊な匂いなどで誘っているのかも知れません。