気に入ったのか、またもや長野県に写真撮影で遠征中です。さて、本日ご紹介するのは、図書館で何気に手にした一冊『日曜日の空は』(2009)です。謎解き推理ものではない純文学ですが、この本を借りた理由はハワイの話と南アフリカの話が出てくるからです。南アに生まれて、牧師とともにハワイで暮らすアビーの半生を描いています。牧師の嫁でありながら、南アでもハワイにも色濃く残っている土着の呪術(というより民間信仰)の影響を受けながら、自問自答しながら生きていく一女性の物語です。作者自身も南ア出身で、編集者を経て、結婚後に米国に渡ったという経歴を持っています。この作品がデビュー作になっておりますが、その経験が至るところの描写に反映されているように思えます。時制がいきなり飛ぶので面食らいますが、粗削りながら、なかなかダイナミックなストーリー構成になっています。中だるみもなく、いつの間にか物語に引き込まれて読み切ってしまいました。牧師の妻ゆえにキリスト教と、伝え聞いている民間信仰との間で揺れる心理状態の描写も興味深いものがありました。感じたのは、世界中どこに言っても、個がしっかりしていないと流されてしまうということ。人生のなかでは、いつも順風満帆という話ではないので、潮目や風が変わったときに、そこで踏ん張れるのかどうか、というアンカーを何か持っていないと駄目だということでしょう。多くの人は、子供や家族、あるいは仲間にそれを求めるのでしょうが、もしそれが失われたらどうするのでしょうか? 究極的には個としてのサムシングが必要だと思います。信仰かもしれません、経験に基づいた信念かもしれません、結局のところ動くのは、自分自身に他ならないわけですから。









